イカメタルタックル完全まとめ|初心者が知るべき道具の選び方と丹後エリアで実際に使ってるセッティング全公開
イカメタルに必要なタックルって、正直わかりにくい。
ロッドはイカメタル専用じゃないとダメ?リールはスピニング?ベイト?ラインの太さは?……調べれば調べるほど沼にはまる。
しかも釣具屋で勧められるまま買ったり、釣り仲間の「これがいい」を鵜呑みにすると、初心者に向いていない道具を買わされることもある。上手い人がいいと思っている道具と、これから始める人に合う道具は全く別物だからだ。
この記事では、2025年夏からイカメタル・オモリグを始めて今年で2年目の筆者が、実際に使ってるタックルをまるごと公開する。初心者が最初に何を買えばいいかの考え方から、中級者向けの実釣セッティングまでまとめて解説する。
イカメタルってどんな釣り?
イカメタルとは、鉛スッテ(メタルスッテ)を主役にしてケンサキイカを狙うオフショアの釣りだ。
船から仕掛けを落として、シャクリやステイで誘う。水深20〜80mを釣ることが多く、夜間の集魚灯を使った「夜焚き」スタイルが主流。丹後エリアでは毎年6月前後から始まり、夏場にかけてケンサキイカの数が上がってくる。
タックルはシンプルで覚えやすいが、選び方を間違えると釣りにならない。次のセクションで全体像を把握しておこう。
タックルの全体像
イカメタルに必要な道具は大きく5つ。
| アイテム | 役割 |
|---|---|
| ロッド | 繊細なアタリを取る/スッテを操作する(最重要) |
| リール | 正確なタナ取り |
| メインライン(PE) | 感度と強度の両立 |
| リーダー | イカの引きに対するクッション/穂先絡み防止 |
| スナップ・スイベル | 仕掛けの接続と回転によるライン捻れ防止 |
それぞれ順番に見ていく。
ロッド|専用ロッドを選ぶ理由と選び方
専用ロッドじゃないとダメ?
結論から言うと、最初から専用ロッドを使ったほうがいい。
イカメタルのアタリは非常に繊細で、「コツ」とか「フッ」とか、慣れるまでアタリかどうかすらわからないレベル。汎用ロッドだと感度が足りず、せっかくのアタリを取り逃がしやすい。専用ロッドはその感度設計からして別物だ。
選び方のポイント
- 長さ: 6〜6.5ftが扱いやすい。船上でのシャクリに適したレングス
- 調子(テーパー): 先調子〜先中調子(ロッドの先端側がよく曲がるタイプ)。穂先が柔らかく、胴でしっかり支えるものが理想
【調子・テーパーって何?】
ロッドのスペック表に「ファーストテーパー」「レギュラーテーパー」と書いてあって意味不明だった人へ。これはロッドのどの位置から曲がるかを表している。
表記 別名 特徴 エクストラファースト 超先調子 穂先だけ曲がる。感度最強・操作しやすい ファースト 先調子 先端1/3あたりから曲がる。感度が高くアタリが取りやすい レギュラーファースト 先中調子 感度と扱いやすさのバランス型 レギュラー 胴調子 ロッド中央付近から曲がる。全体で曲がるのでバラシにくい イカメタルは繊細なアタリを「掛けにいく」釣りなのでファースト〜レギュラーファースト(先調子〜先中調子)が向いている。一方、オモリグは仕掛けを潮に乗せてイカを「乗せる」釣りなのでレギュラー(胴調子)が向いている。同じイカメタルゲームでも、仕掛けが違えばロッドの調子も変わってくる。
- 硬さ(パワー表記): ロッドにはML・M・MHといった硬さの表記がある。どれがいいかは好みと経験次第だが、初心者には柔らかめ(ML〜M)がおすすめだ。柔らかい竿は操作感は落ちるが、船の揺れを吸収して仕掛けが安定しやすく、イカが乗りやすい。慣れてきてから自分のスタイルに合わせて選べばいい
- 号数表示: メタルスッテ対応の号数(10〜40号程度)が明記されているものを選ぶ。丹後エリアのメインは20〜25号なので、その号数がど真ん中に入っているロッドが扱いやすい。ちなみに表記上限の30号までのロッドに40号を使っても実釣上は問題なくできる。号数表記はあくまで「快適に扱える範囲の目安」であって、それ以外は使ってはいけないという意味ではない(自己責任で)
筆者が使っているロッド
筆者はシマノのセフィアリミテッド メタルスッテ UK-B62-GSを使用している。
正直に言うと、これは最高峰クラスのロッドで初心者がいきなり買う必要はない。ただ、感度・操作性・軽さ・穂先の視認性、すべてが別次元で、一度使うと戻れなくなる。「いずれ本気でやるなら」という人の最終到達点として見ておいてほしい。
詳しいレビューは別記事で書いている → [セフィアリミテッド UK-B62-GS レビュー]
リール|両軸リールを選ぶ理由と選び方
スピニングじゃダメ?
イカメタルはスピニングでもできるが、両軸リール(ベイトリール)のほうが圧倒的に使いやすい。
理由はタナ取りの精度。両軸はカウンター付きモデルが多く、水深を数字で把握できる。夜焚きで「40mで当たった」を再現するには、カウンター必須と思っておいていい。スピニングだとラインマーカーを目視するしかなく、精度が落ちる。
選び方のポイント
- カウンター付き: 必須。タナ管理がすべての釣りなので
- ギア比: ノーマルギアとハイギア(HG)どちらでも釣りはできる。ただイカメタルの市販仕掛けは全長1.2〜1.5m程度のものが多く、3シャクリで1.5mほど巻き上げられると仕掛け全層をきれいに探れる。HGだと巻き上げが速すぎてイカのいる棚が狭い場合にシャクっているうちに通過してしまう心配がある。タナをじっくり通したいならノーマルギア寄りが合う。逆に回収を手早く済ませてテンポよく数を稼ぎたい人にはHGもアリだ
- ラインキャパ: PE0.6号が150m以上巻けるもの
筆者が使っているリール
シマノのバルケッタFカスタム150DHを使っている。
コンパクトで軽く、カウンターの視認性も高い。ノーマルギア(ギア比6.9)でダブルハンドルなのでシャクリのリズムが取りやすいのも気に入っているポイントだ。詳細は別記事で。
ライン・リーダー・スナップ
メインライン:PE0.6号が基準
イカメタルのメインラインはPEラインの0.6号が定番だ。
細いほど潮の抵抗を受けにくくスッテが素直に落ちるメリットはあるが、0.6号が定番になっているのはそれだけではない。乗合船では他の釣り人とラインが絡む「お祭り」が起きやすく、ライン号数を船上で合わせることがトラブル防止の基本マナーだ。0.6号が業界標準として定着しているので、迷わず0.6号を選んでおくのが無難。
筆者はシマノのセフィア8+ PE0.6号を使用。8本撚りで表面が滑らかなため、ガイド抜けがよくライン操作がしやすい。カラーは10mごとに色が変わるマーカー入りを選ぶのが正解だ。単色だと水深の目安がラインだけでは読めず、カウンターに頼り切りになる。カウンター自体が狂う可能性もゼロではないので、マーカー入りラインとの二重確認が精度を上げる。単色だけは絶対にやめておこう。
リーダー:フロロ3号を1ヒロが基本
リーダーはフロロカーボンの3号、長さ1ヒロ(約1.5m)が基本だ。
他の釣りではPE0.6号に対してリーダー2号前後を使うことが多いが、イカメタルは少し太めの3号を使うのが定番になっている。理由はイカの習性だ。ケンサキイカは乗ってから回転しながら上がってくるため、ラインが撚れやすい。リーダーを太くすることでよれに強くなり、仕掛けトラブルが減る。根ズレの心配はほぼないので、号数は強度とよれにくさで選べばいい。
リーダーをつけるもう一つの大事な理由が穂先への絡み防止だ。リーダーはフロロなので適度な張りがある。これがガイドの中に入った状態だと、仕掛け交換時や竿を立てかけた時に穂先周辺でラインが絡みにくくなる。穂先の折れの原因のほとんどはこの絡みなので、リーダーはPEラインとの結束強度だけでなく絡み防止の観点からも必須だ。
スナップ:スイベル付きを選ぶ
仕掛けの接続にはスイベル付きスナップを使う。イカメタルはシャクリの動作でラインが撚れやすいうえ、ケンサキイカは乗ってから取り込むまでの間に回転しながら上がってくる習性があるため、スイベルは必須だ。市販の仕掛けにもともとスイベルが付いているものも多い。サイズは#1〜#2程度が使いやすい。
オモリグタックル|同じ船で並行して楽しめる
オモリグとは
オモリグは、イカメタルと同じ船・同じシーズンで楽しめるケンサキイカ狙いの釣り方だ。
仕掛けの構造はシンプルで、オモリの約1m後ろにエギが吹き流しでついてくる。落としている時も誘い上げている時も、常にエギはオモリの1m後ろをついてくる。この位置関係を頭に入れておかないと「何をやってるのかわからない」という状態になりやすい。
イカメタルと交互に試すことでその日の当たり釣法を探れるため、両方のタックルを持ち込む釣り人が多い。
イカメタルとオモリグの使い分け
潮が早ければオモリグ有利、潮が緩ければイカメタル有利が基本的な考え方だ。
ただ、「潮が早い・緩い」と言われてもピンとこない人も多いと思う。筆者も最初そうだった。
分かりやすいのは仕掛けを落とした時のラインの角度だ。海は広大で周りの景色が変わらないから気づきにくいが、川と同じように常に流れている。有名な鳴門のうずしおが発生する鳴門海峡では、大潮の最盛期に最大約11ノット(時速約20km)に達することもある。あのうずしおも元をたどれば潮流だ。丹後エリアでも1〜2ノット程度の潮流が普通に発生していて、仕掛けはしっかり流されている。仕掛けを海に入れた瞬間からラインがどんどん斜めになっていくようなら、それは潮が速い状態。流れが強いほどオモリや鉛スッテが流されてラインが斜めに傾いていく。こういう時は重さを増やして仕掛けをできるだけ真下に落とそうとするが、それでも限界がある。そんな状況でオモリグはエギが潮にしっかりなびいて動きが出るため有利になる。
逆に仕掛けを入れてもラインがほぼ垂直に立っているようなら潮が緩い状態だ。こういう時はオモリグのリーダーがダランとしてしまい仕掛けが絡みやすくなる。リーダーが短くシンプルなイカメタルのほうが動きが出て有利になる。
丹後エリアでアンカリングの船に乗る場合、ラインの角度を見ながらどちらを使うか判断するのが釣果を伸ばすコツになる。
筆者のオモリグタックル
- ロッド: テンリュウ BRIGADE TOBARI BT6102S-MHS
- リール: シマノ ハイパーフォースLB C3000MHG(夢屋EVAパワーラウンドノブ換装)
- ライン: セフィア8+ PE0.6号
- リーダー: フロロ4号(オモリグはイカメタルより太めを使用)
オモリグはスピニングタックルで行う。LBリール(レバーブレーキ)をオモリグに使うスタイルはシマノインストラクターの冨所潤さんが広めた手法で、ベールを返さなくてもレバー操作一つでラインの出し入れができる。棚の微調整がベイトリール並みに細かくできるのが最大のメリットで、慣れると手放せなくなる。
詳細は各レビュー記事を参照。
→ [テンリュウ BRIGADE TOBARI BT6102S-MHS レビュー]
丹後エリアの実釣セッティング|水深・潮流・号数の考え方
道具が揃ったら、次はセッティングの基本を押さえておこう。「道具は揃えたのに釣れない」という人の多くは、ここで躓いている。
基本:オモリの号数は潮流で決まる
号数選びの基本はラインがほんのちょっと斜めになるくらいの最小の号数を選ぶことだ。完全に垂直より少し角度がつくくらいが理想で、それ以上流されるようなら号数を上げる。水深が深くても潮が緩ければ軽いオモリで釣りになるし、浅場でも潮が速ければ重くしないと仕掛けが流されてタナが取れない。水深よりも潮流の速さで号数を決めるイメージが正しい。
ちなみに筆者の昨シーズンの体感では、丹後エリアは20〜30号の範囲でほぼ事足りた。40号が必要になった場面は1回あったかどうかというレベルだ。重すぎるとスッテの動きが死んで誘いが出せなくなるので、重くしすぎないことも意識しておきたい。
とはいえ相手は自然なので、とんでもない激流に当たる日もある。そういう時に軽いオモリしか持っていないと仕掛けが流されて隣の人とお祭りしまくる原因になる。丹後エリアなら40号は1本忍ばせておくのが無難だ。
具体的な号数は船宿から指定がある場合はそれに従うのが一番確実だ。初めて乗る船では「今日は何号がいいですか」と事前に聞いておくと間違いない。
タナ取りが9割
イカメタルで釣れない人の大半は、タナがズレている。
ケンサキイカは特定のタナに固まって回遊していることが多く、1〜2mズレるだけでアタリがなくなることもある。船長のアナウンス(「底から5m」など)を聞き逃さず、カウンターで正確に合わせることが最優先だ。釣れている人に「何メートルで釣れましたか」と聞くのも有効で、みんな気前よく教えてくれる。
タックル一式の費用感
参考までに、入門〜本格までの概算をまとめておく。
| クラス | ロッド | リール | 合計目安 |
|---|---|---|---|
| 入門 | 1〜2万円台の専用ロッド | カウンター付きベイトリール 1〜2万円台 | 2〜4万円 |
| 中級 | 3〜5万円台 | 2〜3万円台 | 5〜8万円 |
| 本格(筆者構成) | セフィアリミテッド 約10万円 | バルケッタFカスタム 約2.5万円 | 約12〜13万円 |
ラインやリーダー、スナップ類を加えると各クラスプラス5,000〜1万円ほど見ておくとよい。
「最初から本格的なものを」という考え方もアリだが、まずは入門〜中級クラスで釣りを覚えてから上位機種に移行するほうが道具のよさを体感しやすい。
関連記事まとめ
タックル各論・釣行記は以下の記事で詳しく書いている。
タックルレビュー
- [セフィアリミテッド メタルスッテ UK-B62-GS レビュー]
- [バルケッタFカスタム150DH レビュー]
- [テンリュウ BRIGADE TOBARI BT6102S-MHS レビュー]
- [ハイパーフォースLB C3000MHG レビュー]
釣行記
その他

