結論から言う。イカメタルで釣れない理由の大半は、タナがずれているからだ。誘い方でも仕掛けでもなく、タナ。シャクりを工夫する前に、まずタナを合わせることが先決だ。
イカメタルはなぜタナが重要なのか
イカは海底に張りついている魚ではない。水中を泳ぎ回り、その日の条件によって泳層が大きく変わる。
夜焚きイカメタルでは集魚灯を使うが、この光によってプランクトンが集まり、それを食べる小魚(ベイト)が集まり、そのベイトを狙ってイカが浮いてくる。水深60〜80mのポイントでも、水面から10〜20mの浅いところで釣れることが普通にある。
底を狙い続けても釣れないわけではないが、周りが中層を釣っている状況で自分だけ底まで落とし続けると、せっかく浮いてきたイカがスッテに引き寄せられてまた底に沈んでしまうと言われている。自分の釣果だけでなく、船全体の釣果にも影響が出る可能性がある。数を釣るなら、その日イカがいる層を早めに見つけてそこを集中的に通す方が効率がいい。
集魚灯点灯直後は底から探る
出船してポイントに着き、集魚灯が点いた直後はまだイカが浮いていない。光が入ってからプランクトンが集まり、ベイトが集まり、イカが寄ってくるまでには時間がかかる。
点灯後15分程度は底付近を中心に探るのが基本だ。底を取ってから数メートル上を丁寧に誘う。この時間帯に焦って上の方を探っても、そこにイカはいない。
面白いのが、上手いアングラーほど点灯直後はほとんど竿を出さないことだ。船長や仲間と談笑しながら様子を見て、船中でポツポツ釣れ始めたタイミングで「そろそろいったるか」とおもむろに竿を持つ。焦らず、タナが定まってから動き出す——それが上級者の流儀だと思っている。
時間が経つにつれてタナが浮いてくる

集魚灯の効果が出始めると、イカは徐々に浮いてくる。点灯から30分、1時間と経過するにつれて、釣れるタナが少しずつ上がっていくのが典型的なパターンだ。
夜が深まるほど浮く傾向があるため、序盤に釣れていた水深40mのタナが、2時間後には20mになっていることも珍しくない。前の流しで釣れたタナに固執せず、常に上方向も意識して探ることが大事だ。
実際、俺がよく行く丹後エリアでは水深8mでケンサキが釣れた夜もある。水深20m前後のシャローポイントとはいえ、それにしても浅い。こういう日もある。イカが浮いていると感じたら、思い切って上を探る判断が重要だ。
船長アナウンスと隣のアングラーを最大限活用する
自力でタナを探るより効率的な方法がある。情報をもらうことだ。
船長のアナウンスを聞き逃さないのが最優先だ。「底から5m」「30mから上を探ってください」など、リアルタイムで指示が出る船宿が多い。このアナウンスに従ってカウンターを合わせるだけで、釣果が大きく変わる。
アナウンスがない時、または自分が釣れていない時は、隣で釣れているアングラーに聞く。「何メートルで釣れましたか?」と一声かければ、大抵気前よく教えてくれる。逆に自分が釣れたら教えてあげるのも船上のマナーだ。
ラインの角度に注意|カウンターの数字がタナと一致しないケース
ここは中級者でも見落としがちなポイントだ。
潮が速い時や風が強い時、ラインは垂直に落ちずに斜めになる。カウンターが「40m」を示していても、実際の仕掛けは水深30mにしか届いていないことがある。ラインの角度が大きいほど、このズレは大きくなる。
船から下ろしたラインが斜めになっていると感じたら、少し多めにラインを出してタナを補正する必要がある。「カウンターの数字=実際の水深」ではないという意識を持っておくだけで、釣果が変わる。
活性が高い夜はアナウンスより浅いタナを攻める

船長のアナウンスはあくまで目安だ。活性が高い夜、イカはアナウンスより浅いタナまで浮いてくることがある。
「底から10m」というアナウンスがあっても、実際には底から5mで釣れている、あるいはもっと浅い層に固まっているケースだ。アナウンスのタナで反応がなければ、±5mの範囲で自分でも探ってみる価値がある。
釣れている人と自分でタナが違う、という状況はよく起きる。周りを観察しながら、アナウンスを起点に自分でも微調整していく感覚が大事だ。
俺の実際のタナ探しの手順(丹後エリア)
参考までに、俺が釣行で実際にやっているタナ探しの流れを書いておく。
① 集魚灯点灯〜15分:底付近を探る
まず底を取り、底から数メートル上を集中して探る。この時間帯は焦らない。
② 15分以降:徐々に上へ探り始める
15分以降は徐々に上のタナも探り始める。1.5〜2mずつ刻んで上がっていくイメージだ。
③ 船長アナウンス・周りの情報を随時取り込む
アナウンスが出たら即座に合わせる。隣が釣れたら聞く。情報は素直に使う。
④ タナが定まらない時は底に戻る
「60mで釣れた」「40mで釣れた」と情報が錯綜して迷ったら、情報を一旦リセットして底から探り直す。焦って情報に振り回されるより、自分で底から上へ丁寧に探った方が結果的に釣れることが多い。
タナが安定してくれば、あとはそのタナを繰り返し通す再現性だけを意識すればいい。そのためにカウンター付きリールが必須なのだ。
タナの重要性については[イカメタル初心者が最初に覚えるべきこと]でも触れているので、合わせて読んでほしい。
まとめ
イカメタルのタナ探しは、集魚灯点灯直後は底から始めて、時間経過とともに上へ移行していくのが基本の流れだ。船長アナウンスと周りの情報を活用しながら、ラインの角度によるズレも意識して微調整していく。
迷ったら底に戻る。これだけ覚えておけば、タナで大きく外すことはなくなる。
いつも釣りに連れて行ってくれる船長、同船者の皆さんに感謝しながら、今シーズンも釣果を積み上げていきたい。

